11月24日の静岡新聞に農業や水産業における地産地消をテーマにした対談企画が掲載されていて興味深く読ませてもらいました。
いかにして生産者と購買者を繋ぐか、というのは商売をする上で永遠のテーマだと思いますが、その中でもインターネットがもたらした変化はとても大きいものだと感じています。
一番わかりやすいのがEコマースのように生産者がネットで簡単に店舗を持てるようになったこと。つまり中間業者を通さずに購買者と直接繋がることが可能になり、中間業者の利益(コスト)分が削減され購買者に安く販売できるようになったことだと思います。
またネット誰でも簡単にビジネスができるようになりました。自由な競争が広く行われ、良くなったと思う反面、ビジネスを行う上での規範がしばしば破られ、非正規品の並行輸入や利益度外視の値下げで競争が悪い意味で行われ、販売者が一方的に疲弊し、購買者が富を得るようなケースも身請けられます。こうなると販売者でも撤退者が相次ぎ、一時需要過多に陥る反面供給しようにも一般に根付いた極端に安い市場価格のせいで薄利を余儀なくされます。
ではインターネットを利用するに適したビジネスは何か。
これを考えると、つまるところ「ロングテール」の話に行き着くと思います。
このロングテール、もう10年くらい前に流行した言葉で今は死語になっていますが、私たちのような小規模事業者においてインターネットビジネスの基本は「お客様の細かな要望を利益化して実現する」ことではないでしょうか。
ここでいう要望は大きく分けて「時間」「量」「質」のようなカテゴリに大別されると思います。
さらに「時間」を細かくみると納品までの時間の早さ、希望納品時間の実現などが挙げられます。「量」に関しては発注ロット、ひいては購入価格に影響されてきます。「質」はそれ以外の付加サービス(オーダーメイドなど)のことです。
新聞の対談記事でも購買者のニーズをいかにネットを利用して実現するかの話が出ていました。もちろん一方で問屋卸のような既存の流通システムが低価格でお客様にお届けすることが可能の場合もあります。
またこれは政治的な話になりますが、自由競争をあえて規制し、中間業者などプレーヤーを増やし、安く物は買えないけど雇用の増大化を図り、社会的利益をより多くの人に還元する、という考え方もあります。
今日ではインターネットという社会インフラが成熟して久しいですが、ネットを使った流通にはまだ色々可能性があると私は考えています。当然それはファンタスティックなアイディアで大革命、では無くお客様に買っていただくために地道な努力が伴うに違いありません。
インターネットを利用してもなお、汗を流し、土で顔を黒くしながら働いていきたいと
思います。