2014/05/13
(主に静岡県の) 人口から現在•未来を考える ①
地震や津波から話題の絶えない原発事故、はたまた他国との紛争など私たちのまわりには発生予測が極めて難しいリスクが数多く存在します。
それらの問題を予測し、対策を議論することは勿論重要なことですがもっとはっきりと予測できる大きな問題が人口減少の問題です。今回は弊社があり、私の地元でもある静岡県の町を中心に人口について少し勉強したいと思います。
先日のニュースで2040年には896の自治体で若年女性が半減し消滅の可能性がある、というニュースが報じられました。
2040年に896自治体で若年女性半減、消滅の可能性
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DO0NM20140508
この報道のソースは日本創成会議という有識者会議が発表したもので私たちでも簡単にこの統計結果を見ることができますのでぜひ自分の住まいが今後どうなるかチェックしてみてください。
日本創成会議
http://www.policycouncil.jp
※統計は"全国市区町村別「20~39歳女性」の将来推計人口"の項目からDLできます。
ざっくり説明するなら
① 人口は全体的にかなり減る
② 若者は都会に出て田舎は廃れる
③ 都会は一部過密化するがその分高齢者も多い
といったところでしょうか。
まず①から詳しくみてみます。
2014年4月現在日本の人口はおよそ1億2147万人(総務省統計局調べ)ですが、25年後には約1億700万人まで減ります。
今日13日のニュースでは都道府県別の人口減少率の予測が出ていますが、秋田県では何と35%減少です。また静岡県では-19.4%と平均よりやや高めの数字が出ています。
2040年全都道府県で人口減 秋田35%・東京6.5% 社人研推計
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS27010_X20C13A3000000/
なぜ人口が減るのか、これは言わずもがな出生率の低下が原因ですね。
合計特殊出生率(女性1人が子供を生む数)は2012年で1.41ポイント。景気が良かった約30年前の1985年の出生率は1.76です。ちなみに1.41も近年良くなっている方で2005年には過去最低の1.26でした。
今日ニュースで政府が「50年後も人口1億人維持」と目標を発表しましたが、人口維持には出生率を2.07以上にする必要があります。
人口減少:政府諮問会議委「50年後も人口1億人維持」
http://mainichi.jp/select/news/20140513k0000e010205000c.html
子供が増えないかの問題では「非婚化」と「晩婚化」が原因になっていますが、いずれにしても原因は経済的不安要素であると推測できます。
出生率の高い高度成長期は若い労働者は「金の卵」と呼ばれ、集団就職し、そのまま終身雇用が保障される。
かたや現在、学校を卒業しても就職先がない学生が増加している中で結婚し、子供を産み育てるのは困難だし躊躇するのが当然です。
そして②の段階に入ります。
昔は農業や漁業、林業など第一次産業でも手厚い保護の下食べてはいけましたが、 人も国家も収益のある方向へ舵をきる。戦後の好景気に農村の人々は製造業や建設業などの第二次産業へと移っていき地方都市が次々と栄えていきます。
その後技術革命を繰り返し、第二次産業に関わるコストを減らし、それ以外のサービス産業に多くを費やすように変化していきました。
サービス産業は人、物、情報が集まる都市で栄えます。そこに仕事を求めて向かうのは当然のことです。
もし地方の人口流出を阻止するにはどうするか?以前のように国の赤字事業である一次産業にお金をバラまいてつなぎ止めるしかないでしょう。
最後に③についてです。
仕事を求めて都市に行くなら仕事を引退した人は田舎に出戻ればいいじゃないか、と思いますが、それは充実した社会保障のもと経済的余裕がある人の話。
現在医療保険制度の危機などと言われている上に年金受給は65歳から。他国の動向を見るに今後さらに受給年齢の引き上げと制度の抜本的改革が予想されます。
現に最近ではこんな話題もあがっています。
年金受給、75歳まで繰り下げ可能に 厚労相、検討表明
http://www.asahi.com/articles/ASG5C51MPG5CUTFL001.html
今は多少の田舎でも車があれば生活できる環境が整っていますが、ショッピングモールの撤退、医療介護施設の不足などが深刻化し、今住んでいる場所では生活できない危険すら想定する必要が出てきました。
次は統計から静岡県内の都市の状況をみてみます。
時刻:
9:15 PM