2014/05/13

(主に静岡県の) 人口から現在•未来を考える ③



最後に今後地方の在り方について考えていきます。



まずはじめに日本という国としては高齢化に伴い年々増え続ける社会保障の費用を巨額の国債発行で賄うという現状になっており、決してお金が有り余っている状況ではない、という認識を個々が持つべきです。



今まで地方が生き残ってこれたのは優れた国内企業が成果をあげ、国に多くの利益をもたらし、その利益を国が儲けのない地方に分配していたからです。



しかし今まで想像できませんでしたが、日本を代表する電機メーカーの倒産が噂される現在では"「親方日の丸」の時代はもう終わった"ということです。




内閣府のWebサイトを見ればわかりますが、今政府では地方分権に関するものが非常に多く議論されています。



基本方針としては地方に対する規制緩和と権限委譲。それと引き換えに地方交付税交付金の縮小が行われる方向で話は進んでいます。そして地方がそれぞれが独立し収益を上げて自活する時代にいよいよなってきました。




今、地方公務員は安定した職業という理由で非常に人気があるようですが、炭坑という第二次産業に極度に依存した夕張市の例でわかるように、バスに乗り遅れた町が倒産する時代になってきたのです。

公務員も市民のくらしのサポート係なんて呑気なことを言っていてはたちまち潰れてしまいます。「まさか自分の町が…」この他人事のような甘い気持ちで競争はできません。


そしてこの競争の結果、住む場所によるサービスの質が異なってきます。

「子供の医療費が家計の負担になっている一方で隣の町では子供の医療費が無料」などといった自治体によるサービス格差が顕著になってくると思います。(もちろんこの格差は憲法や人権規定に反するのである程度で是正されると思いますが)




そういった住民が損を被らないように首長を先頭に行政スタッフ、そして有権者である我々がしっかりと意見を持ち、あらゆる手段でそれを表現していく必要がますます強くなってきました。



特に首長は市民の支持と己の才覚を過信したあまり企業との経営ごっこに乗っかり、計画不透明な第三セクターを次々作る失敗はもはや許されないのです。



私は専門家でもありませんし、行政の詳しいことは分かりませんが静岡県で最も勢いのある長泉町はWebサイトをひとつとっても「なぜ長泉町に住むと得をするのか」といったプレゼンをしっかりやっていたり、企業誘致や保育政策、それ以外の産業振興においても様々な部分で行政の真剣さ、本気度が伝わってきます。





もう一つ例を挙げるなら私が起業当初、地方自治体の様々な中小企業向けの融資制度や助成金を調べていました。残念ながら県内ほとんどの自治体、商工会がろくにおこなっていないのに対し長泉町にはしっかりと制度を設けており感心し、「長泉町民だったらよかったなぁ」と思ったことを覚えています。





今後あらゆる分野において規制緩和の流れは避けられません。



地方は国から独立するのと同じように、解雇規制が緩和され、個人は終身雇用制における企業からの独立を余儀なくされると思われます。





誰かにもたれかかって生きる時代はとっくに終わったのだから、境遇をぼやいてばっかりいないで、自分で住む場所、働く場所、さらには子供を産み育てる場所だってもっと真剣に考えて行動してみる必要がみんなにあるわけです。






今いる場所を出て行くか。



その場所に残って変えるのか。





きっと全ての人の前にその問いかけが連続して存在しているのです。








【余談】

予測ですが、高齢化にあたりこれからは病院を中心にコミュニティが形成されていくと思います。



多くの高齢者が集まるところにはお金が集まります。さらにそのお金は医療費であり税金という確かなお金なわけです。


これに類似しているのが多くの生活保護受給者を抱える地域です。貧困地区とされながら実際は多くのお金が集まり、周囲にはそのお金を巡っていろいろなきな臭いビジネスがあるようで…。



そこまでなるかはわかりませんが、ショッピングモールの真ん中に病院があるのが当たり前に世の中に近い将来なるかもしれません。